今日も読書をしていて、なるほど。と思ったことの覚書です。
仕事の調子がいいとイキイキしていられるのですが、仕事が忙しくなると調子を乱してしまうことが多く、どうにかしたいと思っていました。
今日は東畑開人さんの「なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない」(新潮社)を読んで考えたことを書こうと思います。
この本では筆者が「心を分割する補助線」によって、人生を分割し悩みへの向き合い方を教えてくれます。
仕事と生活のバランス
ワークライフバランスと言いますが、よい状態に保てていますか。
療養中で仕事をすることが出来ていない方にも読んでいただきたいです。
作中で筆者はある不眠に悩む女性のエピソードを通して、人生を「働くこと」と「愛すること」と補助線で分割し、仕事と生活のバランスをよい状態に保つことについて書かれています。
この「働くこと」と「愛すること」というのは深層心理学者のフロイトの言葉で、
「大人にできなくてはならないものは何か」という問いに対する答えだそうです。
この補助線の考え方が私の、仕事がうまくいかないと調子を崩してしまう、言い換えると、仕事の影響を私生活に持ち込んでしまう悩みを晴らすきっかけになるのではと思いました。
働くこと
働くこととは何か目的があってそれを達成するために”する”ことだそうです。
仕事は利益を出すという目的のために働くことですね。
愛すること
一方、”愛すること”の目的は”愛すること”そのものだそうです。
本質は何かと共に”いる”こととだそうです。
そういうことか、と納得のいったのが以下の文です。
死者との関係は「愛すること」の最もたるものですね。(中略)死者を思うことの報酬は死者を思えたことにある。
P73
眠ること
では作中の不眠の女性について。
眠ることというのは、先ほど出てきた”する”ことと”いる”こと、どちらに当てはまるでしょうか。
眠りとは「する」の放棄です。だけど、彼女は「する」ために様々な工夫をしていて、余計に眠りから遠ざかっていました。
P73
寝よう寝ようと頑張っても寝られない。誰にでもある経験だと思いますがそういうことだったのかと納得しました。
眠ることは”いる”ことなのです
バランスを保つ
本書を読んで、”する”ことばかりに気を取られてしまうと”いる”ことがうまくできなくなってしまう、つまり、「働くこと」が「愛すること」を台無しにしてしまうということに気づきました。仕事が忙しくなり、タスクだらけになってしまうと寝ることが出来なくなったり、趣味をして心を晴らすことが出来なくなってしまったりするのだと思います。
鶏と卵の関係
筆者は「働くこと」と「愛すること」は鶏と卵の関係に似ていて、両方存在していて相互作用していると仰っています。
「働くこと」によって「愛すること」が可能になるし、「愛すること」によって「働くこと」が可能になる。
P82
本書では「働くこと」、「愛すること」の本質についてエピソードを交えてわかりやすく書かれいています。
私はそのバランスを保つために、自分の生活のうち何が「働くこと」で何が「愛すること」なのか意識しながらよりよい生活をしていきたいと思いました。
本の紹介
今回は本の中の「働くことと愛すること」という一つの補助線について書きましたが、補助線は他にも「馬とジョッキー」、「シェアとナイショ」、「スッキリとモヤモヤ」、「ポジティブとネガティブ」などとあり、すべてがすべてためになるお話でした。
短い文章で魅力を伝えきれないのでぜひお手に取って読んでみてください!