Iメッセージを使う理由
私は、誰かに自分の考えや気持ちを伝えるとき、「Iメッセージ」を意識して使うようにしています。「私はこう思う」「私はこう感じた」と、自分の主観として話すことで、相手を否定したり押しつけたりする意図はないことを伝えたいと思っているからです。
この話し方には、相手との対話を大切にしたいという気持ちが込められています。同時に、ある意味では「これはあくまで私の見方ですよ」という予防線を張るような役割も果たしてくれている気がします。
それでも伝わらないことがある
けれど、どれだけこちらがIメッセージで丁寧に話しても、それを受け取る側が「この人はこう思っているのだな」「でも、別の人は違うふうに考えるかもしれない」といった柔軟な姿勢を持っていない場合、思わぬ誤解を招いてしまうことがあります。
「一つの意見として受け取る」という視点がないと、「それって、つまりこういうことだよね」と決めつけられたり、「そう言われると責められている気がする」と感じさせてしまうこともあるのです。Iメッセージは、言い方としてはとても優しいものですが、受け取り方次第で、思いがけず鋭いものに変わってしまうこともあります。
発信する立場であるということ
もしも私が有名人だったとしたら、その影響はさらに大きくなります。不特定多数に向けて言葉を届けるということは、さまざまな背景や考えを持つ人たちに届くということ。だからこそ、どう受け取られるかを慎重に考えなければならないのだと思います。
ただ、それでも「完璧な伝え方」なんて存在しないことも事実です。現代は、ほんの一言が切り取られ、意図とはまったく違う形で広まってしまうこともある時代です。「炎上」と呼ばれるような現象も、その一例かもしれません。
誠実さが試されるとき
そんなときに問われるのは、発言そのもの以上に、それまでの姿勢や人となりではないかと私は思います。どれだけ誠実に、どれだけ丁寧に、人と関わってきたのか。言葉に向き合ってきたのか。その積み重ねが、もしものときに支えになるのではないかと感じます。
人間は、自分の思いを、思った通りの形で相手に届けることに、とても苦労するものです。むしろ、それがうまくいかないことの方が多いのではないでしょうか。
想像力をたずさえて
だからこそ、私たちには「想像力」が必要なのだと思います。話す側も、聞く側も。「私はこう思う」という言葉を、「ああ、そう感じたのですね」と柔らかく受け止めること。逆に、受け止めてもらえるかどうかを意識して言葉を選ぶこと。
Iメッセージは、そんなふうにして、お互いを大切にするための工夫のひとつです。けれど、それだけでは伝わらないこともある。だから私は、言葉を尽くすことと同じくらい、相手の受け取り方を想像しながら、これからも対話していきたいと思っています。
mayoiさん コメント頂きとっても嬉しいです。 関係性の中で、お互いが自分も相…