辛夷(こぶし)の花は桜より早い早春の季節に咲き、春の訪れを告げる花だ。
私はこの花が大好きで、咲いている土地を見つけるたびに、写真に収め、来年もここに来れたらいいなと、毎回思う。
花言葉は、厳しい冬を越えて春の始まりを告げる花として、希望や新たなスタートを象徴するものが多い。
「友情」が花言葉の一つ。
寒さに耐えて、咲く。
友人同士が支えあいながら困難を乗り越える姿に例えられることからついたと言われる花言葉。
私が心を病んだのも寒い冬の時期だった。
病んだ心により、精神疾患の症状が出ていた私は失意の底にいた。
精神病棟の公衆電話から、友人に電話を掛けたことを今でもよく覚えている。
入院後も妄想から抜け出せずに、わけのわからないことを言って泣き崩れる私だったが、
彼は拒否することなく、私の言葉を受け止めてくれた。
「戻ってくるのを待っているからな。」
そう言ってくれた彼の温かさに今でも感謝の気持ちは冷めやらない。
辛夷の花を見ると、彼やほかの大切な友人の顔が思い浮かぶ。
一緒に生活し、楽しみ、支えてくれた日々が今の私を形作っている。
時が経ち、それぞれの人生を歩んでいくけれど、
色褪せない思い出を胸に、また酒を酌み交わせる日を楽しみにしている。
辛い日々もそれぞれに訪れることだろう。
あの日の彼のように、気持ちに寄り添い、一人でないと、伝えてあげたい。
そんな温かな心を辛夷は思い出させてくれる。
森の民さん コメントありがとうございます! 語り合いの時間、本当に素晴らしいです…