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イメージが沸くということ

私たちは、何かを考えるとき、よく「イメージが沸いた」という表現を使います。たとえば、やかんの中のお湯が、火にかけられて徐々に温まっていき、ふつふつと泡を立てて沸いてくるように。頭の中にも、ぽこぽことアイデアが浮かびあがってくる――そんな感じです。

この「イメージが沸く」という感覚は、とても大切なことだと私は思っています。なぜなら、ものごとを理解したり、新しいことに取り組んだりするときの出発点になるからです。たとえば、難しい理論を学ぶときも、まずは身近な例や比喩からスタートして、だんだんと複雑な構造を思い描いていくことで、理解が深まっていきます。

でも、そのプロセスには、ひとつだけ大切な注意点があるように感じます。それは、イメージが「現実に根ざしていること」です。

現実から少しずつ離れていく感覚

私は過去に、統合失調症を発症しました。そのとき、自分の中で「イメージを沸かす力」が、ある意味では暴走してしまったように思います。何かを考えるたびに、イメージがどんどん展開していき、現実から少しずつ離れていってしまう。そして、気がついたときには、それが妄想にまで達していたのです。

症状として現れたのは、妄想のほかにも、「思考の短絡化」や「連合弛緩」といったものです。
連合弛緩というのは、思考のつながりが弱くなって、話が飛び飛びになったり、意図しない方向に展開してしまったりする状態のことを言います。私の頭の中では、思考の回路がバグを起こしているような、そんな感じでした。

寛解という、あたらしい出発点

いま、私は寛解の状態にあります。完全に元通りとは言えないけれど、症状とうまく付き合いながら、日々を過ごせています。そして、あらためて感じるのは、「イメージを沸かす力」は、やっぱり自分にとって大事な力だということ。

だからこそ、いまの私は、「イメージ」と「現実」のバランスに気をつけながら、いろんなことに挑戦しています。たとえば、新しいアイデアを考えるときには、それが現実的にどう機能するかをシミュレーションするようにしています。これは、ちょっとした心のメンテナンスのようなものです。無理のない範囲で、少しずつ確かめながら前に進んでいく。

イメージは、大切な味方

私は、イメージを「悪いもの」とは思っていません。むしろ、うまく付き合えば、心強い味方です。豊かな想像力があるからこそ、人は新しいものを生み出したり、他人の気持ちに寄り添ったりできるのだと思います。

大切なのは、そのイメージが、現実の足場から離れすぎないようにすること。そして、もし少し離れすぎてしまっても、ちゃんと戻ってこられるように、自分の心の地図をもっておくこと。

これからも私は、そうやってバグが起きないよう気をつけながら、イメージを沸かしていきたいと思っています。
夢や希望が、やさしくふつふつと湧いてくるように。

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