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第3回:心が安らぐ仏教の教え~四法印②諸行無常を受け入れる~

こんにちは。

今日も仏教の教えについて、語らせてください。

第1回、第2回と、それぞれ、「仏教って何?」、「四法印①一切皆苦を理解し受け入れる」というテーマで記事を書きました。

初めての方は是非、第1回からご覧ください。

第1回
第2回

今日は人間が苦しみを理解し、解放されるための過程を示した四法印の2つ目の項目、「諸行無常」について考えていきたいと思います。

諸行無常とは

「諸行無常(しょぎょうむじょう)」は、すべてのものは常に変化し、永久に同じ状態で留まるものはないという教えです。

「諸行」は「すべての事物・現象」を指し、「無常」は「変わり続けること」を意味します。

すべてのものが常に変化し永久に同じ状態で留まることはない。

このことは自然界や人生においての理を示しています。

自然界において例をいうのであれば、春、夏、秋、冬と四季が循環し、自然の風景や気温が絶えず変化することが挙げられます。

桜が春に満開を迎えても、やがて散り、次の季節が訪れるように、どんな美しい自然も変わりゆくものです。

人生においては、人間の成長と老いが挙げられます。

人間は幼少期から成長し、成熟し、やがて老いて死を迎えます。

どんなに元気で若々しかった人も、時間とともに身体は衰え、生命もまた終わりを迎えることになります。

また、人の栄枯盛衰についても言え、一時的に成功や富を手にしても、それが永遠に続くことはありません。

人の運命や社会の状況は絶えず変わり、栄えていたものもやがて衰え、次の変化が訪れます。

「そんなこと当たり前じゃん。」

と思う方がいるかもしれません。

当たり前のことこそ、わかったつもりで受け入れられていないことが多いものです。

諸行無常と一切皆苦の関連性

諸行無常の意味を聞いて、「おやっ」と思った方がいるかもしれません。

第2回で説明した「一切皆苦」の考え方にも「諸行無常」の要素が含まれているのです。

仏教でいう「一切皆苦」とは、すべてが不幸だとか、人生には喜びがないという意味ではなく、喜びや幸せですら永遠に続くものでなくその変化や失うことによって苦しみが伴うという現実を指しているのです。

「一切皆苦」では、「個人の経験として、すべての事象が人間には苦を伴う」ということを説いているのに対して、

「諸行無常」では、「世界や現実そのものが、常に変化し続けている」という、より普遍的な真理に焦点を与えるものであります。

2つの教えは、次のように結びついています。

人々は「無常」であるにもかかわらず、永遠を求め、執着し、その結果として「皆苦」に陥ります。

手に入れたものは必ず変わり、消えていく運命にあるのに、それを保持しようとすることで苦しみを生み出してしまうのです。

また、欲望が果てることなく増幅され、それに伴う不満や失望もまた苦しみを増大させます。

仏教では、これらの苦しみから解放されるためには、諸行無常の真理を受け入れ、執着を手放し、欲望に支配されない心を育むことが必要であると説かれています。

これによって、無常の中でも安定した心を持ち、苦しみを超えることができるとされています。

諸行無常を受け入れる方法と効果

では「諸行無常」の真理はどのように受け入れることが出来、その効果はどのようなものでしょうか。

「すべてのものは変わりゆく」というシンプルな事実を、私たちは心のどこかでは理解しているのかもしれません。

しかし、過去や現在への執着や未来に対する過剰な期待や恐れが生じたときに、その事実を受け入れられずに目を背けてしまうことがあるのだと思います。

私たちはしばしば、物事や人に対して強い執着を持ちます。大切な人との出会い、築いた成功、そして手に入れた物質的な豊かさ。

これらが一度手に入ると、永遠にそれを失いたくないと感じるのは当然のことです。

しかし、それに固執することで、無常という真理に逆らうことになり、失ったときの苦しみがさらに大きくなります。

無常を受け入れるための第一歩は、自分の心を観察することです。

日常生活の中で、自分が何に執着しているのか、何を失うことに恐怖を感じているのかを静かに見つめる時間を持つことが大切です。

自分のそうした執着やこだわりを遠い場所から客観的に見て、気づき観察することでそれらから少しずつ解放されていくことができます。

そうして解放されたとき、私たちの心には驚くほどの平安が訪れるはずです。

物事に対する過剰な期待や執着から解放されることで、どんな変化が起こっても、柔軟に受け入れる心の準備が整います。

苦しみからの解放は、一瞬ではなく、少しずつ私たちの日常の中に現れ、心に平安が訪れていくのです。

おわりに

諸行無常の真理は、私たちの人生のあらゆる側面に影響を与えています。

変化は避けられないものであり、それにどう向き合うかが大切です。

四法印は、仏教の根本的な哲学を示しており、この真理を理解することが、執着から解放される第一歩です。

実際の修行や実践については、ゆくゆく、四諦の教えを通じて深く考えていきたいと思っています。

次回の記事では、四法印の三つ目「諸法無我」について探求していきます。

自己と世界との関係性をさらに掘り下げていきますので、ぜひご期待ください。

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