「病名って、あなたのすべてじゃないんだよ。」
精神疾患と診断されたとき、多くの人は心のどこかでこう思ってしまうかもしれません。
「ああ、自分はもう“○○”という名前の病気の人間になってしまったんだ」と。
聞いている私も自分は精神障害者になってしまったんだと深く落ち込んでいた時期がありました。
でも、本当にそうでしょうか?
たしかに、病名は診断のためのラベルかもしれない。
でも、それはあなたのほんの一部にすぎません。
それが“あなたそのもの”になる必要なんて、まったくないのです。
たとえば、もし顔に渦巻きの模様があったとしたら、
周囲は「渦巻きくん」なんて呼ぶかもしれません。
でも、それって、その人の“全部”を表しているでしょうか?
腕がなければ「身体障害者」とラベルを貼られるかもしれない。
けれど、そのラベルが、その人の人生すべてを決めるものでしょうか?
五体不満足で知られる乙武洋匡さんは、こう語っています。
「五体が満足だろうと不満足だろうと、幸せな人生を送るには関係ない」
それは、五体が満足か不満足かは乙武さんにとってそれほど大きな問題じゃないということです。
大事なのは、他人がどう見るかではなく、
自分がどう捉えるかです。
病名を「不幸の証」として背負うのか、
それとも、「自分の個性のひとつ」「体験のひとつ」として受け入れていくのか。
そして、考えてみてほしいんです。
その病名は、あなたのパーソナリティの何%を占めているのか。
好きな音楽や、やさしい性格、誰かを思いやれる心、
おいしいものを食べて笑った瞬間——
それらをすべてひっくるめて、あなたという存在がある。
病名はその中のほんの一部分。
だから、それを「背負う」必要なんて、ない。
あなたは、あなたのままでいい。
そして、これからどんなふうに生きていくかは、あなた自身が選んでいけると思います。
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