本を読むとき、わたしは「何が書かれているか」よりも、「何を問いかけられているか」に意識を向けるようにしています。
それは、知識を増やすためというよりも、自分では気づけなかった問いに出会うためです。
著者がどんな背景をもって、どんな思いでその言葉を選んだのか。
その行間から伝わってくるものに耳を傾けたい。
本を読むときは、そんなふうにして著者と向き合うことを大切にしています。
知識を得るだけでは、もったいない
もちろん、本を読むと知識は増えます。
でも、知識だけを得て満足してしまうと、その本の持つ深さに触れきれないこともあります。
たとえば、「こうすればうまくいく」と書かれている本があったとします。
そのとおりにすれば、たしかに問題が解決するかもしれません。
けれど、わたしが知りたいのは、「なぜ著者はそう考えたのか」「そこにどんな体験や迷いがあったのか」ということです。
表面的な正しさよりも、
「なぜそう言わざるを得なかったのか」に目を向けたい。
そうすることで、本の内容が自分の中に根づいていくように感じます。
本は問いをくれるもの
読書をしていると、自分の考えや感じ方がゆさぶられることがあります。
「この見方はしたことがなかったな」と思ったり、
「どうしてこの人は、こんなふうに考えたのだろう」と立ち止まったり。
そんなとき、本はただの情報源ではなく、自分に問いをくれる存在になります。
問いを受け取ることで、
「わたしならどう考えるか」「自分の経験とどうつながるか」といった、新しい視点が生まれます。
本がきっかけとなって、自分自身のことをあらためて見つめ直せるのです。
著者と静かに向き合う
わたしは、本の中の「答え」をうのみにするのではなく、
その背後にある「問い」や「迷い」に目を向けたいと思っています。
著者もまた、何かに悩み、考え、言葉を選んで書いたはずです。
その思いやプロセスにふれることで、読み手としての自分の姿勢も整っていく気がします。
おわりに
読書は、ただの受け身の行為ではありません。
どう読むかによって、本から受け取るものは大きく変わります。
わたしはこれからも、知識をためるのではなく、
問いを受け取るために読むという姿勢を大事にしていきたいと思います。
本を読む時間が、自分を深める時間になりますように。
サトシさん コメントありがとうございます。 こちらこそいつもありがとうございます…