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CBTと傾聴の重要性

CBTにおける傾聴

認知行動療法(CBT)では、「認知(思考)・感情・行動」が相互に関連していると考えられています。

このモデルでは、思考が感情や行動に影響を与え、それがさらに環境との相互作用を通じて新たな認知を生み出すという循環が生まれます。

そのため、人の思考、感情、行動がどのように影響し合うのかを理解することが重要となります。

そして、この理解を深めるために不可欠なのが「傾聴」です。

CBTを自分自身に適用する「自己傾聴」も非常に重要です。

傾聴とは、単に人の言葉を聞くだけでなく、相手の感情や意図、気持ちを深く理解しようとする態度です。

自己傾聴においては、客観的な視点を持つことが重要となります。

CBTにおける傾聴は、相手(自分自身)の思考パターンを探り出し、非合理的な信念を認識し、それを変えていくための基盤となる行為なのです。

良い傾聴とは何なのか

では、良い傾聴とは具体的にどのようなものでしょうか?

それは、「話し手の言葉だけでなく、その背景にある感情や意図を深く理解し、非評価的で受容的な態度をもって共感的に向き合う行為」です。

しかし、この定義だけでは、具体的なイメージが湧きにくいのも事実です。

そこで、アルバート・エリスが提唱した「効果的な傾聴を妨げる障壁」を理解することが重要になります。

これらの障壁を克服することで、より良い傾聴に近づくことができるでしょう。

効果的な傾聴を妨げる障壁(barriers to effective listening)

1.話し手への先入観や偏見

  • 話し手の性格や立場に基づいた先入観が内容を正しく聞く妨げとなる。例えば、相手が上司だからといって、その意見を鵜呑みにしてしまうなど、話し手の性格や立場に基づいた先入観が内容を正しく聞く妨げとなることがあります。

2.早急な評価や批判

  • 話を最後まで聞かずに、「それは間違っている」と決めつけてしまうなど、話を十分に聞かずに評価や判断を下し、相手の話を遮ってしまうことがあります。

3.個人的な防衛反応

  • 相手の言葉に傷ついて、反論ばかりしてしまうなど、話し手の言葉を自分への攻撃や批判と受け取り、防御的になってしまうことがあります。

4.過度な感情的反応

  • 相手の怒りにつられて、自分も感情的になってしまうなど、話の内容に対して感情的に反応しすぎることで冷静に聞けなくなることがあります。

5.自分の関心ごとへの集中

  • 相手の話を聞いているようで、自分のことばかり考えているなど、話し手の話よりも、自分の考えや体験を優先してしまうことがあります。

6.解決策を急ぎすぎる態度

  • 話の途中で、「こうすればいい」と一方的に解決策を提示してしまうなど、話を十分に聞かずに解決策を提示してしまうことがあります。

7.注意散漫や集中力の欠如

  • 周りの音が気になって話に集中できないなど、環境的要因や内的な要因によって話に集中できないことがあります。

8.話し手の感情を無視する態度

  • 「そんなことで悩むのはおかしい」と相手の気持ちを軽視してしまうなど、話の表面的な内容だけを捉え、話し手の感情や意図を汲み取ろうとしないことがあります。

9.話し手の言葉の選択に固執する

  • 相手の言葉遣いが気になって、話の内容が入ってこないなど、話し手の言葉遣いや表現方法に注意を奪われ、本質的な内容を見失うことがあります。

10.非合理的な信念に基づく反応

  • 「自分は完璧でなければならない」という信念から、相手の意見を受け入れられないなど、自分の非合理的な思考が傾聴を妨げることがあります。

良い傾聴の基本スタンス

これらの障壁を意識し、克服することで、良い傾聴の基本スタンスを築くことができます。

それは、「相手を完全に理解できないことがあっても、それを恐れず、理解しようと努める」姿勢です。

このスタンスがあれば、たとえ話し手と聞き手の間に違いがあっても、深い対話が可能になります。

これらのスタンスを実践することで、効果的な傾聴が妨げられる可能性を大幅に減らし、話し手が安心して自分を表現できる空間を作ることができます。

相手が他人であれ自分であれ、安心して自分を表現できる空間ができれば、思考、感情、行動がどのように相互作用し合い、影響を及ぼし合うかを理解していけるのだと思います。

気づくことから変化は始まる

「気づくことから変化は始まる」という言葉は、CBTにおける傾聴の本質を的確に表しています。自己傾聴を通じて、自分の中にある感情や思考パターンに意識を向けることで、変化のきっかけが生まれます。

例えば、プレゼン後、「うまく話せなければいけない」という非合理的な信念に気づき、「多少の失敗はあって当然だ」と柔軟に考えを変えることで、必要以上に落ち込むことがなくなるでしょう。

自己傾聴を深めるには、先入観を排除し、自分の内なる声を静かに観察する必要があります。そして、そこで気づいた自分の考えや感情に対し、優しく受容的な態度を持つことが大切です。

相手への傾聴の広がり

傾聴は、自己対話だけでなく、他者との関係性にも良い影響を与えます。良い傾聴を実践することで、相手にとっての「安心できる空間」を提供し、信頼関係を築くことができますし、相手へ認知行動療法の第一歩である気づきを与えられることもあります。

このように、傾聴は、個人の内面的な成長だけでなく、周囲の人々とのコミュニケーションの質を向上させる力を持っています。

傾聴を通じて、自己と他者の思考・感情・行動の相互作用を深く理解すること。それが、CBTの真価を日常生活で発揮するための鍵となるのです。

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